頭痛の原因を探るための強力な診察道具となるのがMRIです。当院では最高水準のMRIを導入しています。医師と検査技師との連携によって、より正確な画像を仕上げます。
- 1MRI
- 1.1高精度のMRI
- 1.2MRI撮像の検査技師
- 1.3MRIのチューニング
- 2CTスキャン
- 3採血
- 42つの医院でのデータ共有
1.MRI
1.1 高精度のMRI


頭痛外来の必須アイテム「MRI」とは、(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)の略です。このような機械で、トンネルに頭が入ります。約15分横になってもらい、超伝導電磁石を使って、体内の状態を描き出す検査です。
頭痛外来では、まず危険な頭痛でないかを見極める必要があります。MRIは頭痛の原因を探るための強力な診察道具となります。
当院では、より正確な診断を可能にするため、大学病院と同水準のMRIを導入しています。
検査時に得られる画像の鮮明度が圧倒的に高く、また処理能力にも優れており、検査時間が3割~4割短縮できるため、暗いところや狭いところが苦手だ、という患者さんへの負担も軽減することができます。
日本国内のMRI台数は日本国内のMRI台数はヨーロッパ全体の総数以上、人口当たりの台数では世界1位とされています。
我が国では健康保険制度に恵まれているので、簡単にどこでもMRI検査を受けることができます。では、どこのMRIでも同じかというと、ピンからキリです。
MRIはコンピューターなので、当然処理能力の差があります。
そして、画質の差はテスラ(T)という磁場強度の大きさで決まります。
現在国内で稼働している機種には0.2Tから3.0Tまであり、一般に数字が大きいほど高画質です。
下の画像は、Aがオープン型MRI、Bが3テスラのMRIで撮像した画像です。
この比較でわかる通り、血管を撮像した場合(MRA検査)で、雲泥の差があります。
A
B
最も危険な頭痛と言われるクモ膜下出血は、動脈瘤という血管のコブが破裂するのが原因です。破裂するような大きさの動脈瘤であればオープン型でもわかりますが、まだ破裂していない小さなものを見つけるとなると困難です。
したがって、動脈瘤を未然に発見するための脳ドックには向かないとされています。
クモ膜下出血と紛らわしい突発頭痛として、椎骨動脈解離や可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)などがありますが、これらは血管の微妙な状態を判断するので、1.5T以上の高磁場機種でなければほぼ不可能でしょう。
オープン型MRIを使っている所では、
「開放感があって閉所恐怖症の人でも大丈夫」と宣伝していますが、見えるべき所見が見えなくて診断の見落としがあっては元も子もありません。
また、同じ検査内容で比べた場合、オープン型では30?40分かかるものが、1.5Tで約15分、3.0Tで約10分で終わります。
当頭痛外来では、1.5Tと3.0Tを採用しています。
さらに、同じ機種であっても、それを扱う技師のチューニング技術も影響してきます。
1.2 MRI撮像の検査技師
MRIは、医師の判断で撮像方法を自由に設定することができます。
一般的に、長く撮像時間をかければ、より精細な画像を得ることができますが、多くの病院では数をこなすために時間を短縮しています。
当院では、画質と検査時間とのバランスを考え、最適な画像が得られる条件に設定しています。
さらに、問診の内容を踏まえて、1人1人の症状にあった撮像方法を選択しています。
たとえば、脳の血管が詰まる脳梗塞は、発症してすぐにはCTで写りません。MRIでも、「拡散強調画像」という検査法をとらなければ写らない時期があります。脳梗塞を疑い、MRIで拡散強調画像を撮って初めて、発症したばかりの脳梗塞を発見することができるのです。
このような医師の判断に即して、実際にMRIの機器を操作し、画像を仕上げるのが検査技師です。
医師と検査技師との連携により、より正確な画像を得ることが可能になるのです。
1.3 MRIのチューニング
問診の後は、医師からMRI検査技師にバトンが渡されます。
医師は問診で得た情報から頭痛の原因を推定し、疑わしい部分、重点的に確認したい箇所を電子カルテで技師に伝えます。
技師は電子カルテを見て、どんな画像を取るべきか確認して撮像に入ります。
MRIは、高周波磁場を当てて体内の水素原子に共鳴現象を起こさせ、反応する信号をコンピューターでとらえて画像化するものです。同じ機種を使っていても、パラメーターの設定によって画像や画質が変わります。どう組み合わせ、どんな画像に仕上げるかは技師の技術にかかっています。
MRI撮像は、一見、どの患者さんでも同じ撮り方をしているように見えますが、検査室では検査技師がフル稼働でパラメーターを操作しています。一人ひとりの症状によって、MRIで確認すべき内容は異なり、医師からそのオーダーを受けているからです。
たとえば、内耳神経を見ようとすると他の情報が見えにくくなるなど、調整が難しい部分もありますが、そこは複数の画像を撮像(「水分以外」を強調するT1強調画像と、「水分」を強調し、脳腫瘍などの形の変化を詳しく描き出すT2強調画像は必ず撮像)することでカバーしています。
医師の指示以外にも、気になるところがあれば技師が追加で撮像します。医師は近くの診察室にいるので、必要なときは技師から声を掛け、すぐに相談、確認することもできます。こうした連携で検査の精度を高めているのです。
経験豊富な医師によるダブルチェック
撮像したMRI画像は、長池脳神経内科、横浜脳神経内科両方の医師で確認、さらには画像読影を専門とする、「SEM medical solution」社の放射線科専門医にも診断を依頼します。豊富な経験を積んだ複数の医師の目でダブルチェック、トリプルチェックをすることによって、見落としを防ぎます。
2.CTスキャン
症状に合わせて、MRIだけではなくCT検査も行います(八王子医院のみ)。

シートの上に仰向けになって検査を受けます。
その際、時計やベルトなどの金属類を外します。

検査の準備が完了しました。
これから機器の中に入って検査を行います。

機器の中に入りました。
検査中に不調を感じた場合は、手を挙げて合図をしてください。すぐに検査を中止します。

モニタールームです。
ここでCTスキャンを操作して検査をします。
3.採血
症状によっては、血液検査を組み合わせることで、より精確な診断を下せるようになります。

採血は、特に清潔が保たれた専用の部屋で行います。

この機器で、採取した血液を分析することができます。一般的な医院では、外部の検査会社に依頼をします。そのため、結果が出るまでに数日かかってしまいます。
当院では、院内に分析器を備えているので、その日のうちに結果が出ます。

採血室には清潔なベッドを備えています。
横になって採血することもできます。
4.2つの医院でのデータ共有
当院では、すべてのコンピューターをLANでつなぐことで、診療の精度を上げています。

院内LANを活用しているクリニックは多いでしょう。情報をデジタルデータのままやり取りするので、スタッフが部屋と部屋の間を駆けまわったり、書類を印刷する手間がありません。また、MRIやCTの画像も、一瞬で診察室のコンピューターまで届きます。当院では、こうして節約できた時間を患者さんと向き合うための時間(問診)に使い、より精確な診断を下すことに役立てています。
さらに、VPN接続によって、八王子と横浜、2つの医院間でデータを共有しているため、撮ったばかりのMRI画像を、どちらの医院でも見ることができます。この体制によって実現しているのが、両院の医師による画像のダブルチェックです。当院では、画像診断の際は、見落としを防ぐために必ずダブルチェック、症例によってはトリプルチェックを行っています。さらに、過去のデータベースを確認することもあります。