問診と神経学的考察、そこから推定される検査方法と、その正確な診断。これらが揃って初めて、適切な治療を行うことができます。

1.必ず専門医が担当。ダブルチェック

頭痛で悩んでいる患者さんは、様々なサイトを見てきたことと思います。

このサイトに行き着いた方も、当然インターネットで検索したはずですね。たとえば「片頭痛」と検索して、結果を見てみてください。

  • ・製薬会社が薬局で薬を売らせるか医師に処方させるためのサイト
  • ・製薬会社や病院がスポンサーの情報提供業者
  • ・怪しげなサプリメントや健康グッズを売る商売
  • ・整体やカイロプラクティックなどの宣伝

などがたくさん出てくる事でしょう。

また、どこの誰が書いたかも分からないネット口コミや個人のブログも多いです。少なくとも、自分の正体を明かさない人の書いた文章が信用できますか?

「頭痛外来」と検索すれば、医療機関以外は「外来」とは名乗れないので、病院やクリニックのサイトが並んできます。
さて、それではいったい何を基準に頭痛外来を選んだらいいのでしょうか?

「○○の名医」といった本が売られていたり、「テレビや雑誌で取り上げられました」という医師もいます。こうした情報は、ほとんどあてになりません。
出版社やマスコミが医師や病院から高い広告代を取って、名医だから取材しましたとウソを言っているだけで、テレビ番組は単なる視聴率稼ぎに過ぎません。当院にも、こういう出版社やテレビ局の下請け業者からの申し出がたくさん来ますが、一切お断りしています。
本当に(質の高い)診療や研究で忙しい医師なら、商業的な本を書いたりテレビ出演する事には時間を費やしません。

各種学会では、専門医という制度を設けています。
日本頭痛学会の場合、5年以上の頭痛診療経験と筆記試験で認定されます。
すでに神経内科や脳神経外科の専門医であれば、80%位の医師が合格します。
頭痛専門医であれば頭痛の事は何でも知っている?
いいえ、それはあくまで試験に合格したというスタートラインに過ぎません。
試験に合格してからどれだけ経験を積み、一つひとつの症例に対してどんな考察を加えてきたかが、専門医の力の差となってきます。

症例1.

65歳の女性。20代の頃から頭痛持ちで、痛くなる前に眼の前にギザギザした光が見える時があり、40代後半になり頭痛が頻繁に起きるようになりました。
この頃に初めて脳神経外科を受診、閃輝暗点という前兆を伴う片頭痛と診断されています。更年期に頭痛が増えましたが、54歳頃に閉経してからは頭痛はほとんどなくなっていました。
ある日のこと、眼の前がチカチカして頭痛が始まりました。約10年間片頭痛はなかったはずなのにと思い、翌日に当院を受診しました。
一見、閃輝暗点を伴う片頭痛かなとは思いましたが、発症年齢とそれまでの経過を考え、念のためMRI検査をしました。

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左の後頭葉(光を認識する場所)に脳出血を起こしており、そのまま救急車で搬送、入院していただきました。
片頭痛でも後頭葉の脳細胞が興奮するために閃輝暗点という視野の異常が起きますが、思い込みだけで診断してはならないという実例です。

症例2.

30代女性。月に2?3回位の片頭痛があり、近所の内科でトリプタン系の薬を出してもらい、薬を飲めばたいてい頭痛は治まっていました。
ある晩、入浴し浴槽につかっていたところ、突然後頭部に激痛が走りました。
すぐに浴槽から上がり、この日はすぐに寝ることにしました。
翌朝には頭痛はなくなっていましたが、夕方今度はシャワーを浴びただけで激しい頭痛が出現、しかも頭全体がガンガンと痛くなってきたのです。
脳神経外科のある病院へ行きMRI検査を受けたのですが、異常はないと言われ、やはり片頭痛だろうとの事でトリプタンを処方されて帰りました。
ところがトリプタンを飲んでも、今までと違って全然効かない...
もう1回飲んだところ、さらに頭痛が強くなってきました。不安になり、翌日当院を訪れました。

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改めてMRIを撮り直したところ、脳の血管がソーセージをつなげたような形に変形しています。
可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)といって、脳の血管がけいれんを起こして縮むために起きる病気です。入浴や水泳、排便、運動、ストレスなどで誘発されると言われています。
片頭痛で使われるトリプタンでは、かえって血管を縮めてしまうので、効かないどころかさらに頭痛が悪化します。
この方は、血管拡張薬と交感神経を弱める薬で良くなりました。

医師も人間である以上、思い込みや間違いは必ずあります。
当院では、特にMRIの画像を判断する時にはダブルチェック、症例によってはトリプルチェックを心掛けています。
そのために八王子医院と横浜医院では、インターネットを使ったVPN接続を使い、両方の医師が画像をダブルチェックできるシステムにしています。
それでも判読困難なケースでは、外部医療機関の放射線科専門医にお願いして判断をしてもらっています。

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2.オーダーメイドの精密検査

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脳の病気を調べるために、CT検査やMRI検査があります。
CTは、頭の周りに360度X線を当ててコンピューターで分析する事で、このような脳の断面図が得られます。脳の血管については、造影剤という多少副作用のある薬を点滴しながらでないと写りません。これだけでは血管自体の変化による病気は分かりません。
MRIは、高周波磁場を当てて体内の水素原子に共鳴現象を起こさせ、反応する信号をコンピューターで捉えて画像化したものです。
CTよりも優れている点は、より精密である事と、検査の方法により様々な目的の画像が得られる事です。

検査でもっとも重要なのは、脳腫瘍や脳出血など重大な病気を見落とさないこと。そのため当院では、問診に時間をかけ、疑わしい点を絶対に落とさないよう検査しています。

2.1 CTとMRI

脳の病気を調べるために、CT検査やMRI検査があります。
どこが違うか分からないという方のために、少し詳しく説明します。

CT(Computed Tomography)

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頭の周りに360度X線を当ててコンピューターで分析する事で、このような脳の断面図が得られます。脳の血管については、造影剤という多少副作用のある薬を点滴しながらでないと写りません。これだけでは血管自体の変化による病気は分かりません。

MRI(Magnetic Resonance Imaging)

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高周波磁場を当てて体内の水素原子に共鳴現象を起こさせ、反応する信号をコンピューターで捉えて画像化したものです。
CTよりも優れている点は、より精密である事と、検査の方法により様々な目的の画像が得られる事です。

2.2 症状に合わせたMRI撮像

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CTやMRIで検査をしても、症状を捉えられないケースがあります。

たとえば、脳の血管が詰まる脳梗塞は、発症してすぐにはCTで写りません。MRIでも、「拡散強調画像」という検査法をとらなければ写らない時期があります。脳梗塞を疑い、MRIで拡散強調画像を撮って初めて、発症したばかりの脳梗塞を発見することができるのです。
上の画像が、MRIの「拡散強調画像」です。左が正常、右が急性期脳梗塞の例です。急性脳梗塞の画像では、脳幹というCTでは映りにくい場所に、数時間前に発症したばかりの脳梗塞(白く光っている場所)があります。

また、入れ歯やインプラントなどの影響で、画像に乱れが生じたり、空洞ができたりするケースもあります。MRIで確認したい箇所に影響がありそうな場合は、映す角度を調整するなどの処置が必要になりますが、そもそも「MRIでどこを確認するのか?」が定まっていなければ、その調整ができません。
また、MRI画像に写っているにも関わらず見落とされるケースもあります。なぜ見落とすかというと、「疑って見ていないから」です。

MRIの画像の種類をいくつか紹介します。

  • ①T2強調画像
    形の変化を詳しく描き出す画像です。

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    左が正常、右が良性脳腫瘍の例です。脳腫瘍を疑ったときは、「形状」がわかりやすい、この方法で撮像します。周りとの境界線がはっきりわかるので、脳腫瘍が悪性か良性化が、ある程度判断できます。良性の腫瘍は境界がはっきりしていますが、悪性の場合は境界があいまいになります。

  • ②FLAIR(Fluid-Attenuated Inversion Recovery)画像
    内部の水分量の変化をとらえ、脳梗塞やクモ膜下出血などの脳血管疾患、脳炎などが分かります。左が正常、右がクモ膜下出血の例です。右の画像では脳側部という部分にクモ膜下出血がとらえられています。

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  • ③拡散強調画像
    先ほどご紹介した、発症してすぐの脳梗塞を写せる画像です。左が正常、右が脳梗塞の例です。

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  • ④T2*(T2スター)画像
    血液のヘモジデリンという成分を捉えるので、わずかでも血管が切れて出血している場合に確認できます。

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    左が正常、右が微小脳出血の画像です。脳のいたるところに微小脳出血(細かい血管からの出血)がとらえられています。長年高血圧の続いている方に見られることがあります。

  • ⑤MRA(Magnetic Resonance Angiography)

    体内で動いている水分(血液)に反応する信号を合成して、脳の血管画像を描く事ができます。クモ膜下出血の原因となる動脈瘤(血管のコブ)や動脈解離(血管の壁が裂ける事)が分かります。

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    左が正常、右が脳動脈瘤の画像です。脳の血管にできたコブを脳動脈瘤といいますが、大きくなってきた場合、破裂してクモ膜下出血の原因となります。
    下は椎骨動脈解離という症状の画像です。

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    血液の流れをとらえた状態で、本来写るはずの左側の椎骨動脈の血管が途切れた形になっています。

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    同じ部分の血管の壁を外側から見た場合、ふくらんで写っています。これは、椎骨動脈解離といって血管の壁が避けてしまった状態です。

検査でもっとも重要なのは、脳腫瘍や脳出血など重大な病気を見落とさないこと。そのため当院では、問診に時間をかけ、疑わしい点を絶対に落とさないよう検査しています。
診察や検査の時間は限られています。当院では患者さんの症状や経過を診察して、どんな撮像方法が必要なのかを考えて検査を行っています。
問診と神経学的診察、そこから推定される検査方法とその正確な判断があって初めて、適切な治療につながるものです。

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3.信頼できる外科・大学病院との連携

当院に来られた患者さんを、大きな病院にご紹介することもあります。ただし、頭痛の診療やMRI検査においては、設備・体制ともに最高水準であるとの自負がありますので、他院をご紹介することはありません。ご紹介するのは、手術を前提とした血管造影検査などが必要となったときです。

「大きな病院で診てもらったほうがいい」
何か病気になった、あるいはかかっている病院やクリニックで良くならない時、家族や知人からそんなふうに言われた経験がありませんか?
「小さな個人医院」だと適切な診断や治療ができないだろう、だから取りあえず大学病院や大病院に行ってみよう、という心理があるのでしょう。

当院に来られた患者さんを、大きな病院にご紹介することもあります。ただし、頭痛の診療やMRI検査においては、設備・体制ともに最高水準であるとの自負がありますので、他院をご紹介することはありません。ご紹介するのは、手術を前提とした血管造影検査などが必要となったときです。

メジャーな手術であれば、設備が整っている病院、信頼できる地域の提携病院をご紹介します。専門性が必要な手術の場合は、さらに「○○病院の○○先生」とドクターまで考えます。

患者さんではありませんが、お世話になっている税理士の奥さんが、動脈瘤が見つかったけれど手術が難しいので経過観察しているという話を聞き、血管内治療の手術が得意なドクターをご紹介したこともあります。カテーテルを挿入して行う血管内手術は専門性が高く、安心して任せられるドクターは限られるのです。
手術は無事成功し、「よい先生を紹介してもらった」と喜んでいただけました。

特定のドクターに患者さんをご紹介する場合、もっとも重視するのは、「そのドクターにとって良い症例かどうか」です。症例のジャンルや難易度によって、ドクターのやる気が変わるからです。ドクターのやる気が高ければ、腕が存分に発揮され、結果的に患者さんもよりよい治療が受けられます。

手術後の治療は、引き続き当院で行うことが多いため、紹介先が良かったかどうかは、リアルに患者さんの声を聞くことができます。また、書面のやりとりでも、「このドクターは信頼できる」と感じることがあります。どのような手術を行ったか、術中記録までくれるドクターは、治療もきちんとされていて、患者さんの満足度が高いことが多いのです。
これは余談ですが、手術の様子をきれいにスケッチしてくれるドクターがいます。頭の中でしっかりイメージが描かれているのでしょう。そういう方は、手術の腕も優れているはずと思っています。

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4.薬の効果的な処方

薬棚

誰にでも効くような頭痛の特効薬はありません。頭痛の原因や病態の変化まで突き止めて、最適な薬を処方することが我々医師の仕事です。

薬棚

病院やクリニックを受診したが、効く薬がなかった、あるいは今まで効いていた薬が効かなくなったという場合、考えられる事が2つあります。

①診断自体が違っている
②同じ疾患でも状態が変化する
たいていの頭痛情報サイトや医療機関のサイトでは、緊張型頭痛という肩こりから起きる頭痛が多くを占めていると書かれています。

多くのサイトで書かれている緊張型頭痛の特徴は、以下の通りです。

  • ・しめつけられるような痛み
  • ・頭に重い物が乗っているような痛み
  • ・長時間パソコン作業をしていて痛くなる
  • ・精神的ストレスがきっかけになる
  • ・肩こりが原因だからマッサージが良い

とてもありがちな会話...
医師:「肩こってないですか?」
患者:「はい、頭痛の時によく肩がこります。」
医師:「ああ、それなら肩こりが原因の緊張型頭痛だ。」
患者:「でも、たびたび痛くなるので何か脳の病気ではないですか?」
医師:「よし、心配なら脳のMRI検査をしよう。肩こりは頸椎(首の骨)のゆがみのせいだから、ついでに首のレントゲンも撮っておこう。」
(検査が終わって)
医師:「MRIは問題ない。(頚椎のレントゲンを見て)ほれ、やっぱりストレートネックだ。だから肩がこりやすくて頭痛がするんだ。筋肉をほぐす薬と精神安定剤を出しておくから、これで良くなるだろう。」
患者:「わ、わかりました。」

言われた通りマッサージへ通い、ストレッチなどをしてみたものの、
「肩こりは多少取れたけど頭痛は全然良くならない、むしろかえってひどくなった。もらった薬を飲んでも効かない。」というケースをしばしば見かけます。
ストレートネックだから肩がこるという医学的根拠は全くありません。緊張型頭痛と言われていた頭痛が、片頭痛の薬で改善しているという事実があります。

すでに片頭痛と診断されている方もいらっしゃるかと思います。トリプタンという「片頭痛の特効薬」とされている薬が効いていたのに、ある時期から効かなくなったという場合があります。
医師から「薬を飲むタイミングが遅いから」とか「体質的なものだからしょうがない」とか言われてあきらめていませんか?
それでは、効いていた薬が効かなくなったのかという答えになっていません。
片頭痛は
①脳の血管の収縮と拡張
②脳の痛みの感度が上がって痛覚過敏状態を起こす
という頭痛です。
人間の身体はいつも同じ状態ではありません。
①、②の状態も、体調や周囲の環境とともに変化します。
どう変化して何が起きているのか、当院ではそこまで突き止めて治療内容を検討します。

頭痛薬を飲み過ぎて起きる「薬物乱用頭痛」という状態があります。
・月に15日以上頭痛があり薬を飲んでいる
・効いていた薬が効かなくなってきた
・この状態が3ヶ月以上続いている
などの特徴があれば可能性が高いとされていますが、明確な診断基準があるわけではありません。
では、その正体は何かというと、もともとあった片頭痛です。
痛み止めで痛みを抑えようとし過ぎて、かえって脳の痛みの感度が敏感になってしまった状態と考えられています。
したがって、脳の過敏さを抑えて本来の状態に戻してやる治療が必要となり、そのためにどういう予防薬を使うかが決め手です。また、原因となった痛み止めの代わりをどうするかが頭痛専門医のノウハウとなります。

当院の薬に対するこだわりをご紹介します。

  • ①院内処方を採用
    「院内処方」とは病院やクリニック内で処方箋を調剤し、患者さんにそのまま薬を持ち帰ってもらう方法です。

    院内処方のメリット
    (医療機関側)
    ・医師が患者さんの薬の管理、把握をしやすい
    ・治療の効果や副作用などがダイレクトに分かる
    ・薬には複数の効能があり治療の目的が伝えられる

    (患者さん側)
    ・病院外の調剤薬局に行く手間がなく時間が節約できる
    ・支払う医療費全体が3割程度安くなる

  • ②信頼できる先発品を採用

    メーカーが新薬を開発するためには膨大な手間と費用がかかっています。「治験」といって、本物の薬とプラセボというニセ薬を用意し、医師も患者さんもどちらが本物かわからない状態で薬を投与して、本当に差があるのかどうか公平な目で評価しようというものです。
    こうした苦労を経て発売された新薬は、当然高くなります。新薬の特許は20年で切れるので、その後は他のメーカーが同じものを作ってもよい事になります。この後発医薬品を俗にジェネリック医薬品と呼んでいて、コストがかかっていない分だけ先発医薬品よりも安くなっています。
    薬には、商品名の他に成分名を表す一般名(generic name)があり、ここからジェネリック医薬品と呼ぶようになりました。
    同じ成分で同じ効果があるなら、安くて大変結構じゃないかというと、全然そんな事はありません。
    例えてみましょう。
    普通の主婦と一流シェフが、市場で同じ食材を買ってきて同じ料理を作ったとします。
    じゃあ、それらは同じ味ですか?
    ...という事です。
    ジェネリック医薬品の中には、「安かろう悪かろう」で有名な韓国や中国製の原料を使っているものもあります。食品の安全性でも問題になっている国々ですね。最近のデータでは韓国製が31.0%、中国製が12.3%との事です。
    当院では、頭痛の薬に関しては基本的に信頼できる先発品を採用しています。一部ジェネリック医薬品も置いていますが、いろいろ調べて効果が証明されたものだけに絞っています。
    後発品メーカーと日本薬剤師会と厚労省の利権がからんで、「安いジェネリックを使うように」と勧めてきますが、本当に患者さんの利益になる事は何かという点が欠けています。

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5.体質や生活習慣の改善アドバイス

できれば薬は飲みたくない。生活習慣を工夫して頭痛をなくしたい。そうした希望に応えるためにも、正しい診断が欠かせません。頭痛の原因がわかれば、様々な改善アドバイスができます。

慢性頭痛で悩んでいる方のほとんどが片頭痛だと思います。
元々の体質だからとあきらめていませんか?
遺伝の関係した体質である事は確かですが、生活習慣や環境からの影響が多いとも言われています。

様々な悪化要因が挙げられています。

  • ①光・音・匂いの刺激
  • ②食生活(チラミンの多い食品や空腹)
  • ③睡眠の過不足
  • ④精神的ストレス
  • ⑤過労
  • ⑥気圧変化
  • ⑦温度変化
  • ⑧旅行
  • ⑨飲酒・喫煙
  • ⑩薬の影響

そもそも医師の頭痛の診断が本当に合っているのか?
という問題もあります。

症例1.

30代女性。数年前から、月に1-2回繰り返す頭痛がありました。
夏の暑くて日差しの強い時期になると頭痛が多く、吐き気やめまいを伴う事がありました。(一般に片頭痛は夏になると悪化します)
他のクリニックで片頭痛だと言われ、トリプタン系の薬が良く効くので通院していました。
翌年の夏を迎え、頭痛が頻繁に起きるようになったので、
「ああ、また暑い時期になったから片頭痛が増えてきたかな?」
と思い、かかりつけのクリニックに相談してみました。片頭痛の予防薬をいろいろと処方されたのですが、一向に頭痛は減らず、今まで効いていたトリプタンも全く効かなくなりました。
毎日のように頭痛が続き、めまいや立ちくらみが増え、何だか記憶力も落ちてきたとの事です。痛み方も以前とは違い前頭部と後頭部の重い感じで、横になると楽になる気がしていました。こんな状態が1年位続いていました。
普通、片頭痛は半日から3日位でいったん治まるものです。
1年も毎日続く片頭痛はあり得ません。
診察室で実際に痛がっていたので、頭を低く下げてもらいました。
「頭を下げたら頭痛が軽くなった」と言うのです。
片頭痛だったら、頭を下げると痛みが強くなるはずです。
さらに首の両側を軽く圧迫してみたところ、その間だけ頭痛が消えました。
いずれも脳の内部の圧を上げている動作で、これで頭痛が改善するという事は、低髄液圧性頭痛という状態が考えられます。
血圧を測ったところ、80/ と低く、立った状態では52/ とさらに低い状態で、立ちくらみやめまい、記憶力の低下はこのためでした。
暑い時期に全身の血管が拡がって血圧は下がるので、夏になるとめまいが起きやすくなり、さらに水分があまり摂れず脱水状態が続けば、脳の血液循環量が足りなくなります。
髄液の材料は脳に流れてくる血液なので、髄液が作れず足りなくなって低髄液圧性頭痛を生じます。
低血圧の対策として水分、塩分、蛋白質を多めにとる事と、下半身を強めに圧迫するようなストッキングやサポーターを使用するよう説明しました。
脳に血液がまわりやすくするためです。

症例2.

20代女性。10代の頃から頭痛持ちで、月経の時期に頭痛が多い傾向がありました。プログラマーとして就職してから、頭痛が多くなってきました。
PCの画面を見ていると、まず目の奥が重たくて痛くなり、首の後ろも痛くなってきた後、仕事が終わる頃には強い頭痛が起きるという具合でした。
頭痛外来へ行く時間がなく、ついつい薬局で痛み止めの薬を買って飲む回数が増えてきていました。薬はある程度効くので、2-3日に1回は飲むようになっていました。頭痛が多いストレスと薬のせいなのか、たびたび胃が痛くなる事もありました。
これではまずいと思い、当院を受診しました。経過から「薬物乱用頭痛」と考えられました。痛み止めを飲む回数が多くなると片頭痛が増えてきます。
まずは市販の痛み止めを止めるよう伝えました。それでは頭痛の辛さをどうするかという問題があるので、痛む時には鎮痛剤ではなくトリプタンという薬で乗り切る事とし、予防薬を1ヶ月位飲んでもらうようにしました。
脳が痛みに対して過敏な状態になっているので、まずはこの状態を弱めるための薬が必要となります。また、片頭痛は光の刺激で悪化するので、PCの画面をできるだけ暗めにするよう説明しました。 1ヶ月たって頭痛の回数が減ってきたので、その後少しずつ予防薬は減らしていく方針とし、最小限の薬で済むようにはなっています。

多くの片頭痛の方が、
「光をまぶしく感じる」
「音をうるさく感じる」
「匂いに敏感」
という傾向があり、特に光の刺激が片頭痛を誘発する事が知られています。
「日差しの強い夏場に頭痛が多い」
「PC、スマホ、テレビの画面を見ていると目の奥や首が痛い」
「頭痛の時は部屋を暗くして寝ていたい」
などの光過敏傾向があるとされています。

・照明を蛍光灯やLED電球から暗めの白熱灯にする
・液晶画面を暗めにし、ブルーライトカット眼鏡をかける
・部屋の白い壁紙を暗めの色に変える
・晴れた日はつばの大きい帽子やサングラスをして外出
といった工夫で頭痛が減ったと言う研究データも出ています。

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